2022.12.14

福津組 - 老舗建設会社がさらに成長するために、Webサイトをリニューアルした理由-後編-

Akihito Mizuno

こんにちは!佐藤夏希です。

「老舗建設会社がさらに成長するために、Webサイトをリニューアルした理由」の後編をお届けします。前編はこちらから。

前編は、古平町の老舗総合建設会社・福津組さんがどうしてGear8にお仕事を依頼してくれたのかをお伝えしました。採用強化のためという目標があり、そのためのWebサイトリニューアルだったのですが、実は副次的に古平町ならではの温かいドラマがあったようです。

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歴史ある会社で歴史ある地域だから生まれたWebサイト

インタビューに答えてくださった福津組・常務取締役福津宇基さん(左)と水野さん(右)

夏希:前編ではリニューアルの目的を主に聞きましたが、後半では他のコンテンツについても聞いて行きたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします!

福津さん:よろしくお願いします。

夏希:早速ですがリニューアルをする際のこだわりってありましたか?コンテンツやデザイン含め。

福津さん:こだわりと言いましょうか。水野さんと話ながら形にしたいなとなったところが「田舎であることを逆に武器にしていきましょうよ」だったんですよ。どう田舎を魅力的に見せていけるかというか。それで古平町の歴史を深堀りしていったところをうまく伝えられたらなと。それだけ地域との繋がりが強い企業だということも同時に伝わったらいいなと。

夏希:デザインへのこだわりはありましたか?Groenさんのサイトをみてかっこいいと思ってくださったので、なにかあるのかなと。

福津さん:ははは(笑)デザインはそんなに具体的なところはなくて、ただ・・・(少し考えて)最初のアニメーションのローディングたまんないですよね(笑)

水野:あれ、いいですよねえ。どんなのにしようかな~って考えてる時に、古平町史見たりしながら。あと福津さんがなんか紙袋5個くらい抱えて「資料です!」と持ってきてくれたりとかして(笑)長老さんから明治や大正の写真を借りてきてくれましたよね。その資料を眺めてたら昔の手書きの図面があって、「あ、これ絶対使えるな」って思って使おうと思った。

サイトにアクセスすると表示されるローディング画面。実際のサイトで見るとこの図面が動きます。

水野:それでそのまま裏紙に手書きのラフ書いて、写真で撮って福津さんに送った気がする。そしたら「これいいですね!」って返信もらって・・・

夏希:水野さんのいつも手書きですね。水野さんの手書きのラフってかっこよくてテンションあがりますよね。

福津さん:めっちゃテンションあがりました。

こちらが噂の手書きラフ。見るとテンション上がります。

夏希:方向性が決まってからは、進むの早かったんですか?それともここからまた試行錯誤があったのですか。

水野:あ、もう「基本お任せします!」と言ってもらえたので、「任せてください!」と言って、ある程度好きにやらせてもらった感じです。

福津さん:確かGroenもそうですよね、ほぼGear8さんに丸投げでしたよって(笑)

水野:(笑)でもね、プロの人はプロの人に任せるのが上手って思う。プロフェッショナルな人ほど、あまり何も言わない。情報掲載の仕方とかは指定はあるけど、デザインの事はわからないから任せますっていう潔い人が多い気がするなあ。

夏希:名言ですね。デザインもコーディングも終わって、実際にサイトが動いた時の福津さんの感想はいかがでしたか?やはり・・・

福津さん&夏希:かっこいい。

夏希:ですよね!(笑)いや、でもサイト本当にかっこよかったです。

福津さん:そう(笑)すごいと思いました。社内の反応も「すごいな」って驚きもあいまってる感じでした。

夏希:社外はどうでしたか?

福津さん:ぎょくみ(漁業協同組合の略)に同級生が働いていてサイトを見て「感動した」といってくれました。「宇基の想いとか、古平に対する想いとかがWebサイトから伝わってきて、泣きそうになるくらい感動した」といってくれましたね。

夏希:嬉しいですね、Webサイトのリニューアルで「感動」という感情を呼び起こすってことってあまりない感覚じゃないですか。

水野:ないねえ、ありがたい。Webサイトをただの集客ツールとして考えているかどうかがポイントだと思っていて、これでどれくらい儲かるんですか?みたいな話じゃないですか。

福津さん:ないですね。

水野:「会社を正しく見せていきたい」「地域に貢献したい」「インナーブランディングとして社内の人にもうちの会社に誇りをもってもらいたい」というのが福津さんのポイントだったと思うんですよ。その考えを表に出したら、結果見る人に感動を与えることができた。効率的なWebサイトというよりは、福津さんの想いがぎゅうっと入ってるのが感動や、めっちゃいいよって心からいってくれることのベースになってるんじゃないかなあ。

福津さん:前編の水野さんの話と繋がりますが、このWebサイトはフィルタリングの役割もあるのかなと思っていて。私たちが作り上げたものに対して「感動したからこの会社で働きたい」って言う人と私も一緒に働きたいです。

水野:あれをいいと思ってくれた人はすでに「共感」してくれているし、自分の考えに近い人っていう時点で0次試験は突破して、アドバンテージがある状態できてくれるじゃないですか。こっちもそういう判断にできるから、Webサイトの効果って表面的にみると「問い合わせが増えた」「売上が上がった」ももちろん大切なところですが、そこじゃない部分での効果も高いなって・・・・(おそらくちょっと喋りすぎたかもって気づいた)あれ、リニューアルする側に俺なってる・・・?

夏希:どうしたんですか(笑)まとめにはいってるのかと思って聞いてました。

これからも一番大事なのは「地域を大事に、地域とともに」。

夏希:では、最後になりますが福津組のこれからのビジョンを聞かせていただけますでしょうか。

福津さん:社訓である「誠実・技術・信頼」は割と最近、平成入ったごろに掲げられたものですが、その前の明治創業のころから大事にしているのは「地域を大事にして、地域とともに」というところがずっと意識の中にあります、ここが福津組には根付いている。

福津さん:実は水野さんには伝えてなかったのですが、写真提供や実際に古平の歴史を教えてくれた長老さんが、リリースした後の冬に亡くなってしまったんですよね。凄く悲しくて・・・コロナも重なっていたから、「サイトこういう風に出来がありましたよ!」って直接伝えることも出来ないままで。落ち着いたら伺おうと思っていたのですが・・・。
亡くなったと聞いたあとに、うちの専務が「(古平の歴史を伝えることを)待っててくれたのかもしれないな」と言っていて、ご本人はそんなこと考えてなかったとは思うのですが、運命的なものを感じました。
このサイトをリニューアルすることがなければ長老さんにお会いすることもお話しを聞くこともなかったので、古平という町の魅力を再発見させていただき、今後もその想いや歴史を紡いで地域に貢献していきたいと考えています。

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インタビューは以上になります、いかがだったでしょうか。

「Webサイトリニューアル」や「採用強化」は言葉にすると、よく耳にする言葉なのですが、紐解いてみるとそこには人との出会いが重なり、奇跡のような形でWebサイトにその歴史とこれからへの希望が映し出されていました。
おこがましいですが、私たちがつくったサイトがその地域で生きているような、そんな感覚を感じさせていただいた今回のお仕事でした。福津さんをはじめ、ご協力いただいたみなさま本当にありがとうございました!

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Akihito Mizuno

1977年1月北海道札幌市生まれ。2000年に大学を卒業しホーマック株式会社に入社、デジタルハリウッド札幌校での勉強を経て、2004年デザイナーに華麗なる転身をしました。白髪になる前から担当動物はシロクマです。 創業する2008年までは、グラフィックデザイナーからウェブデザイナーそしてウェブディレクターとして濃密な4年間を過ごし、Gear8 Graphicsとして個人事業を開始しました。翌年に法人化し、株式会社Gear8として活動を開始。 大切にしていることは一人の時間。様々な業種や職種の皆さんとお話する仕事なので、森の中で自分と話す時間をなくさないようにしています。最近は月の1週間を札幌以外で過ごすことにしています。