本日は、GEAR8のデザイナーひなこちゃんのインタビューをお届けします。
オフィスで会うひなこちゃんは、どこか静かで落ち着いた雰囲気の持ち主。クールに見えるかもしれませんが、実は子供の頃から絵を描いたり、本を読んだり、キラキラ光る石を集めたりするのが大好きだったそうです。
そんな彼女が、どうやって「好き」を仕事にしていったのか。その道のりを聞いてみました。

絵と本と石。「好き」に囲まれた子供時代
– ひなこちゃん、本日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
– 子供の頃は、どんなことが好きでしたか?
絵を描くのが好きでした!好きな漫画のキャラクターを模写するのに夢中で…それを見た母が、誕生日に50色の色鉛筆セットをプレゼントしてくれたんです。それからますます描くことにのめり込んでいきました。あとは本を読むのも大好きでした。近くの児童館に行くと、小説や漫画がたくさんあって。一度本を開いたら、もう周りの音が聞こえなくなるくらい没頭していましたね。
– 集中力がすごい…。
母にもよく「本を渡したらすごく静かになるので子育てが楽だったよ」って言われました(笑)。一人で静かに遊んでいられる子供だったみたいです。
– 他には何か好きなものはありましたか?
石を集めることですね。小学1年生の頃、キラキラ輝く鉱物の存在を知って、それから石集めが趣味になりました。誕生日には大きな鉱石を買ってもらったこともあります!
– キラキラして可愛いものへの憧れは、今のデザインにも繋がっていそうですね。
そうかもしれないです!今もキラキラしたものには目がなくて心躍ります。
普通科高校から芸大へ。「好き」を仕事にする決意
– デザインの道に進もうと思ったのは、いつ頃ですか?
中学の頃から、漠然とアートやものづくり系に進みたいなとは思っていました。デザイン科のある高校に行きたかったんですけど、母に「まずは普通科の高校へ行って、世の中を知ってからでも遅くない」と言われて。
– お母さん、冷静ですね。
そうなんです(笑)でも今思うと、広い視野を持つことの大切さを教えてくれたんだなと思います。
– それで普通科の高校に進学したんだよね?高校時代で印象に残っていることってある?
図書局に所属していて、図書館のイベント告知のためにPOP広告を作っていたんです。それがはじめての実践的なデザイン体験でした。情報を整理して、人の目を引くようにレイアウトする作業が「楽しいな」って。
– そこでデザインの楽しさを感じたんですね。
はい。でも勉学に力を入れていた学校だったので、周りの友達はみんな普通の大学を目指していて…。自分はどうしようかなって、すごく悩みました。
– 芸大への進学。何が決め手になったんでしょう?
友達が、好きじゃない科目にも真面目に取り組めるのを見て、気づいたんです。自分は「物草(ものぐさ)」で、本当に興味のあることじゃないと全力を出せないタイプだなって。だったら、好きなことを専門的に学べる芸術大学に行こうと決めました。
仲間と出会い、表現を探した大学時代

– 念願の芸術大学に入学して、どうでしたか?
もう、すごく嬉しかったです。アートやものづくりが好きな人たちに囲まれて…「北海道にもこんなにアートに興味がある人がいるんだ」って。
– 1年目は色々な分野を学んだそうですね。
絵画、彫刻、金属工芸…いろいろ横断的に学びました。その中で気づいたのが、自分より圧倒的に絵がうまい人がたくさんいるってことでした。
それじゃあ自分は何がしたいんだろう?何が得意かな?って考えたときに、手で描くイラストだけじゃなくて、デジタルツールも深く習得して、他の人にはない表現の幅を身につけようと思ったんです。それで「メディアコンテンツ研究室」に入って、映像やアニメーション、プログラミングを学びました。
– わ〜!すごい!学生のときからしっかり将来について考えていたんだね。
あ、でも一番の思い出は友達と企画した「二人展」です。
– 二人展?なんだかたのしそう・・!どんなテーマで開催したの?
「キラキラして可愛いもの」をテーマに、コンセプトから会場設営、作品制作まで全部自分たちでやったんです。共同で一つの絵を作って、額縁も木を切るところから手作りしました。とにかく世界観を崩さないようにひとつずつ丁寧に作りました。
チームで何かを成し遂げる喜びとか、アイデアを形にする実践的なスキルを学べた、大切な経験になりました!

GEAR8との出会い
– 卒業後は、旭川のデザイン会社に就職されたんですよね。
はい。主にパッケージデザインの仕事をしていました。
– どんな業務だったんですか?
PC上のデジタルデザインというより、実際に紙を切ったり貼ったりして試作品(モックアップ)を作る、物理的な作業が中心でした。ブレストでは「目標100個」って言われて…捻り出したアイデアも「全然通らない」っていう(笑)。
– 厳しい…。
でも、思考の瞬発力は鍛えられました!
– その後、札幌に戻ってきてGEAR8と出会ったんですよね。
そうです。応募の過程で「北海道と広島を比較するWebサイトをデザインする」という課題が出されました。作ったデザインは、一見してすぐに意図がわかるものじゃなくて…説明を聞いてはじめて面白さが伝わる、というものでした。面接を担当してくれたのはなんと社長の水野さんでした。
でも「最初なんかよくわからんかった」って言われて。(笑)


– でも合格したんですよね。
説明聞いて何回も見返したら、「あ、いいかも・・・!」みたいに受け取ってもらえました。
– ひなこちゃんのデザインは、何か特徴があるんですか?
何かを表現するために、別の方法を探すことから始める感じです。単に分かりやすいだけじゃなくて、見た人の心に深く、長く残る印象を作りたいというか…アート志向が強いデザインが得意なのかもしれないです!
Webデザイナーとして、新たな挑戦
– GEAR8に入社して、最初に取り組んだプロジェクトは?
グランド居酒屋富士の採用ページ制作がはじめてのwebデザインでした。これまでにグラフィックデザインは経験していたのですが、Webデザインははじめてだったので、ここでWebデザイン特有の「ルール」の壁にぶつかりました。

– どんなルール?
Webサイトで読みやすい文字の大きさはどれくらいか、コーディングで実現可能なデザインはどのようなものか…。これまで感覚的に作ってきたアート作品とは全然違って、学ぶことがたくさんありました。
– 苦労したんですね。
はい。でもディレクターやコーダーと連携しながら一つのものを作り上げる、Web開発の協調性を学ぶ上で、すごく大切な経験になりました。
これからの夢は?

– 今、新たな目標はありますか?
札幌のアートディレクターが集う「札幌ADCコンペティション」の新人賞に、もう一度挑戦したいです。次は「マウスの動きに反応するアニメーション」みたいな、インタラクションを取り入れたWeb作品で挑戦したいなと。
– 他にはある?
大学時代の展示会企画が忘れられなくて…GEAR8のメンバーが写真、編み物、イラストなど、それぞれの創作物をジャンル不問で発表できる展示会を開きたいんです。
– それ、とっても楽しそうですね!
さて、Gear8といえばスタッフ一人一人に水野さんから動物をプレゼントされることで有名です。ひなこちゃんは白梟ということで、選定理由を水野さんに聞きました!
「白梟は静かに周囲を観察して、冷静に物事を判断する動物なんだよね。ひなこちゃんの落ち着いた佇まいと、じっくり考えてから表現する姿勢が似ているなと。あと、白梟は夜行性で一つのことに深く集中する習性があって、ひなこが子供の頃から一つのことにのめり込む集中力とも通じるところがあるかな。一見クールに見えるけど、内に熱い情熱を持っているところもぴったりだと思います。」
なるほど〜確かに白梟のイメージぴったりですね。
静かに、でも確実に自分のスタイルを貫いていくひなこちゃんの姿が目に浮かびます。
単に分かりやすいだけじゃなく、見た人の心に深く残る表現を探し続ける。この「好き」を道しるべにした、思慮深いものづくりへの姿勢こそが、ひなこちゃんという人間の核を成しているようでした。
新しく加わった仲間のひなこちゃんとGear8を今後もよろしくお願いします!





