2024.11.06

ホームページの制作期間はどれくらい?一般的な目安や考え方を解説いたします。

Ai Ishizuka

ホームページを作る上での検討材料のひとつとして「納期」がよく挙げられます。

お願いすると「いったいいつ頃までに完成するんだろうか」と気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ということで、これから制作会社に依頼してホームページを作りたいと思っている方向けに、一般的な作成期間の目安をご紹介します。

結論として、ホームページは基本的に作成するサイトの規模や工数によって制作期間が変わります。そのため、ホームページ制作の流れや制作期間に影響する要素、制作期間を短縮するための方法、そしてホームページの制作期間は時間をかけるべきかどうか、についてご案内します。少しでも参考にしていただけるとうれしいです。

一般的なホームページ制作期間の目安

一般的なホームページ制作期間は、目安として3ヶ月ほどかかることが多いです。どのくらいの規模のサイトをつくるのか、またどんな内容で構成するのかによって期間は大きく変動します。

そのため数ヶ月のプロジェクトになることが多く、数日や1週間で終わることはありません。目安として、1枚ページのLPサイト(ランディングページ)作成は約3ヶ月、5ページは約3〜4ヶ月、10ページで約半年・・・と量が増えるごとに期間は長くなることが多いです。新規サイトでの制作期間と、運用中のサイトに新ページを追加したい場合でも、大きく異なります。いずれにしても、数ヶ月はかかると考えたほうがよいでしょう。

LP(1ページ)約3ヶ月
5ページ約3〜4ヶ月
10ページ約6ヶ月
20ページ約6ヶ月〜
ゼロからシステム開発する場合12ヶ月〜

サイト制作は建築物に例えられることがあります。建築物のように建てたい内容によって工程や技術も変わってきます。課題や目的、デザインなど組み立てるところをしっかり構成しておかないと軸のないサイトになりかねません。

そんなサイト制作について、具体的な工程や流れを続きで解説いたしますね。

ホームページ制作の流れ

サイト制作中は、お客様と制作会社の間で準備を行います。ざっとあげただけでも以下1〜11のような作業が発生します。全体の制作工程を把握することで、制作期間中にやるべきことをイメージしやすくなりますので、是非参考にしてみてください。
※以下は一般的な流れです、制作会社によって進め方は異なることがあります。

1.ご依頼〜ヒアリン

まずはお客様のお話を伺い、お話の中で課題や構築にかかるご希望、ご予算などを把握します。会社によってオンライン、対面、電話での打ち合わせなど進め方は様々です。

2.キックオフミーティング

プロジェクト進行前に制作に関わるお客様と制作会社のスタッフで、キックオフミーティングを行います。

3.調査・分析、企画・提案、要件定義

ヒアリングで伺った内容をもとに、競合や特徴調査を行います。場合によっては企画・提案を行うことも多いでしょう。要件定義のほか、スケジュールなども確定させていきます。

このターンはとても重要で、進める上での地図をつくるような過程になります。サイトの解決したい課題や目的も明確にするため、打ち合わせのタイミングや内容次第で1〜2ヶ月、それ以上に時間をかけることもあります。

4.サイト設計

調査や分析、要件定義などで確定した情報をもとに、サイトの構成となる「ワイヤーフレーム」を作成します。同時にユーザー視点とサイトの目的をふまえて導線も設計していきます。

この段階から並行して、デザインイメージの事前すりあわせを進めていくことが多いです。デザインの方向性を事前にすりあわせることで、デザインに迷った際などに立ち返る指標になります。デザイナーとの認識あわせにもつながるのでイメージがあれば積極的に伝えるとよいでしょう。

5.サーバーやドメイン準備

制作と並行して進めることも多いですが、サイトを表示させるためのサーバーをどうするか、ドメインの取得など必要な場合は進めていきます。

6.原稿・画像などの準備

基本的にはお客様の方で、サイトに必要なテキスト原稿・画像などの素材を準備します。デザイン作業に入る前にすべての素材や原稿を揃えて進めることが一般的な流れになります。

もし取材・撮影コンテンツを使用したい場合や、使用する素材が無い場合は、制作会社・カメラマン・ライターと協力し、コンテンツ制作準備を進めていきます。

7.デザイン制作〜チェックと校正・修正

制作会社のデザイナーが、ワイヤーフレームをもとに実際にデザインを制作していきます。原稿や画像を実際に使用し、トップページから作成することが多いでしょう。

制作会社内では、ディレクターとデザイナーで複数回やりとりを行いブラッシュアップしていきます。その後、お客様への確認を行いイメージの最終すり合わせを行います。

8.構築作業・実装〜チェックと校正・修正

デザインのターンが完了したあとは、制作会社のエンジニアによる構築(コーディング)という作業へ移ります。

ホームページ制作でいう「構築」は、デザインデータを一度ばらしてサイトに表示させるためのコードを組むことを指します。CMSなどシステムの実装もこの工程で行います。

9.ブラウザ・デバイス別表示チェック

ブラウザでテスト表示のサイトを確認します。確認内容は、問題なく表示されているか、動作に問題はないかなどの最終確認になります。

現在は、さまざまなブラウザやデバイス展開があるので、要件定義時に確認を保証する種類などを忘れず明確にしておきましょう。

10.公開作業〜公開・リリース

構築完了後は、最初に決めたリリース日にサイトを公開します。公開後にはじめて確認できるシステム周りの確認や作業などもあるので、ご注意ください。

11.保守・運用へ

無事リリース後は、更新していくことでサイトの価値や会社の信頼性をあげていきます。都度新しい情報を掲載したり、古い情報は削除するなど、更新が必要となるでしょう。

ブログのような更新システム(CMS)を導入している場合は、ニュース(お知らせ記事)を更新したり、細かな改修を行いサイトを最新の状態に保っていくことが必要になってきます。

おおよその工程はこのような流れになることが多く、少しやることが多く感じられるかもしれません。このような流れの中で、どんな要素が制作期間の長さに影響するのでしょうか。次章ではホームページ制作に影響する要素について解説します。

ホームページ制作期間に影響する要素

ホームページ制作期間に影響する要素は、大きく分けて5つあります。順を追ってご説明いたしますね。

 【ホームページ制作期間に影響する5つの要素】

  1. サイトの規模感
  2. 企画設計など事前準備の有無
  3. 構築の難易度(システムやアニメーションの導入など)
  4. 繁忙期や社内承認フローの期間
  5. 制作に関わる人数

1.サイトの規模感

この記事の概要で「どのくらいの規模のサイトをつくるのか、またどんな内容で構成するのかによって期間は大きく変動する」とお伝えしました。

そもそもホームページの「規模」とはなんでしょうか。
分解してみると、制作規模とは、ホームページのページ数と内容量といえます。

「ページ数」とは、ホームページの「サイズ」のようなイメージです。トップページが1ページ、会社概要が1ページ、お問い合わせページが1ページ…のように必要なページを数えたときのページ数です。「内容量」は1ページあたりのボリュームです。情報たっぷりでデザインも凝った1ページと、情報量が少ない1ページだと、かかる時間は異なります。

このように、サイト制作はページ数やページ内の情報量、デザイン具合をひとつの指標として期間を設定することがあり、制作内容に関わるため期間にも影響します。

例外として、ページ数は多いが商品紹介など同じ構成のテンプレートデザインでページを量産する場合はデザイナー稼働分が減るので規模が制作期間に直結しにくいこともあります。

2.企画・設計など事前準備の有無

企画・設計段階での事前準備が制作期間に影響することもあります。例えば、原稿や写真素材をすべて事前に用意するなど準備がしっかり行える場合は、素材収集期間が圧縮され、制作期間が短くなります。

他にも、ホームページ構成を決めるための「コンセプト」を社内で共通認識を持っていたり整理されている場合や、サイトの目的・機能などの具体的なイメージが固まっている場合は、サイト設計がスムーズに行える場合があるのでその場合も制作期間が変わってくるでしょう。

逆に、コンセプトからしっかり考えてブランディング要素を含めたサイト設計を行う場合や、素材がなかなか揃わないなどの場合は、通常よりも長く制作期間が必要となります。

3.構築の難易度(システムやアニメーションの導入等)

ホームページ制作期間は、構築の難易度によって長くも短くもなります。新しいシステムを0から作りたい場合と、既存のシステムをアレンジする場合でも大きく変わるでしょう。現在使用しているサイトがある場合は、サーバーやシステムの状況も加味しなくてはいけません。より複雑であるほど、制作期間は長くなる傾向があります。

他に、サイトにアニメーション(動き)を取り入れたい場合は、アニメーションの工程が発生します。程度によりますが、より見せ方に力を入れたい場合は、通常の構築スタッフと分けてアニメーションが得意なエンジニアをアサインすることもございます。

4.繁忙期や社内承認フローの期間

サイトの制作期間とスケジュールの話は、切っても切れない関係です。いつまでにサイトを公開したい、など希望がある場合は、それに向けて制作期間を設定します。

繁忙期が重なって動けない時期は避けたり、仕事量がネックの場合はチェック期間を設けられるようにするなど、リリースまでのスケジュール実行の障壁となる要素はあらかじめ対応策を練ってスケジュールに反映させるとよいでしょう。

5.制作に関わる人数

サイト制作期間中に関わる人数は、基本的には複数人です。お客様と制作会社の動きはそれぞれ担当者がコミュニケーションをとるものの、それぞれのスケジュールや認識あわせも重要になってきます。

例えば、社内での承認フローが複雑であったり長い確認期間が必要なほど、スケジュールはお客様の確認期間を長く取るため制作期間に影響します。制作会社の中でも、依頼したいデザイナーやエンジニア、もしくはディレクターに指名がある場合は、その人のスケジュールを確認する必要があります。カメラマンやライターが必要になる場合はさらにスケジュールの濃度は変わるでしょう。

連携を取りながら「複数人で動く」というのも、サイト制作期間に影響する要素です。以下は一般的なホームページ制作時に関わることがある人の例です。

  • A社 担当者(ご依頼主)
  • A社 プロジェクトメンバー
  • 制作会社 ディレクター 
  • 制作会社 アートディレクター ※ディレクターが担うこともある
  • 制作会社 エンジニア
  • 制作会社 デザイナー 
  • 制作会社 ライター(コピーライター)
  • 制作会社 カメラマン
  • 制作会社 撮影や取材の場合、現場担当者


以上のように、規模や事前準備、難易度やスケジュール、関わる人数でもホームページ制作期間は左右され、長くも短くもなります。制作期間を短縮したい、とお考えの方は次であげる方法をぜひ参考にしてみてください。

ホームページ制作期間を短縮する3つの方法

サイト制作にかかる期間が状況によるのはわかったけど、とはいえ「早く作りたい!」と思う方もいるはず。ここでは制作期間を短縮できる、3つの事前準備をご紹介します。

①ホームページの種類やゴールを決めておく

一言で言うと、なんのためにサイトを作るのか?ということが大事です。サイト設計や企画段階でそのあたりに時間をかけてヒアリングすることが多くありますが、言語化されていないことがほとんどです。

現状のままではいけない課題や不満があったり、今後会社や商材をどのように展開していくか、などホームページの種類やゴールを可能な範囲で再検討し決めておくことは、制作期間を短くするために重要です。

②社内の最終決定者を決める

サイト制作期間中に決めるべきことをしっかり決めて、次の段階に進めるためには「誰が最終決定するのか」を明確にしておくことが重要です。

既に最終決定者が決まっている場合は、都度確認が必要な内容を共有して、制作期間内で承認フローを完了できるように進められるとよいでしょう。

③写真素材や原稿の準備ができそうかを確認する

ホームページには基本的に原稿(テキスト)と素材(写真等)が必要となります。制作会社ですべての原稿や素材を用意することも可能ですが、ライターやカメラマンに依頼することも多いため費用と時間がかかります。

そのため社内で原稿を用意できる状況か、または過去の写真データで使えるものがないか、などを事前に確認しておくことで、サイト制作期間はグッと圧縮できるでしょう。
早めに確認を進めることで、ライターやカメラマンのアサインも取りやすくなります。

ホームページの制作期間は時間をかけるべきかどうか

ホームページの制作期間は、時間をかけるべきでしょうか。制作会社によって考え方は様々ですが、私たちは「時間をかけるべき」だと思っています。

しっかりと骨のあるホームページを求めているのであれば、サイトの構成を見た目以外の部分から考えたり、事業の方向性と合致する形を模索する必要があると考えます。

例えば企業のホームページは会社の顔となります。サイトのコンセプトは会社のコンセプトと連動しているので、そこが制作スピード重視で乱雑になると会社イメージや信頼性を損ねてしまいます。またサイトの設計は、直接ユーザーの使いやすさにも影響してきます。短期間で依頼をすると、素早くできあがりはしますがクオリティ低下につながり、クオリティ低下はサービスへも悪影響を与えかねません。

時間をかけると完成も遅くなってしまいますが、制作会社と認識をあわせて企画・設計をじっくり練ることができます。そうすることで納得できる、また期待以上のサイトとなり、目的や課題から設計を行うためホームページに求める役割をより達成しやすくなるでしょう。

Gear8ではお客様と向き合うのではなく、同じ方向を向いてお仕事したいと思っています。お客様のことをより深く理解することにより、その先にいる「お客様のお客様」が見えてくるからです。「気に入るもの」を作って満足するのではなく、お客様のお客様を一緒に見据えて最良のものをご提供したいと思っています。

まとめ:まずは自分が作りたいものがどれくらいの期間かかるのか問い合わせてみよう。

サイト制作期間はあくまで目安でしかありません。求めるものによって変わってくるので、まずはお金もかからない問い合わせをしてみることをおすすめします。サイトの規模や、目指したいゴールが決まっていなくても大丈夫です。

Gear8では、お客様のことをよく知ったうえで、最適なスケジュールとサイト構成を提案します。段階的にリリースするプロジェクトや、ワークショップを行いながらサイト設計前に課題を洗い出すなど、1年以上かけるプロジェクトもめずらしくありません。

スケジュールが決まればスケジュール通りに進めるプロジェクトだからこそ、その前の対話はゆっくりと、お客様のお話をお聞かせください。

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Ai Ishizuka

1995年札幌市生まれ。2018年に北海学園大学人文学部を卒業後、制作を学びたいと思いデザイン業界へ。グラフィックデザイナー、イラストレーターとしてデザイン会社等に数社勤務後、デザイン×ディレクション業務に興味を持ち、"ディレクションチーム"を謳うGear8に2021年入社。 主にWebサイトのディレクション・運用サポートと、デザイン業務を行う。イラストやデザインの経験からデザイン視点多めのディレクションが得意です。 人生のテーマは、自由でハッピーなこと!アートと文学、運動や旅行に関心が高めです。 休みの日には走ったり、絵を描いたりもしています。本は高校時代から好きで、ダニエル・デフォーから始まりました。