2022.10.28

Gear8のワーケーションの流儀

Fukumi Kitagawa

こんにちは、つい先日までサバティカル休暇をとり、人生が充実しまくっている気になっている北川です。サバティカル休暇についてはまた別の機会にお話できればと思いますが、今回は、ギアエイトのワーケーションについて紹介したいと思います。

私たちにとってワーケーションは当たり前の贅沢だった

実は私たちは、リモートワークだとかワーケーションだとかが叫ばれ始める前から、もっと快適で・リラックスできて・新しい刺激を受けることが出来る・素敵なワーク環境がないのかを夢見てきました。なにせ、10年くらい前からGear8の遠い将来の目標は「全員が世界10拠点を転々と混ざり合いながら仕事をする」ことです。

そんな方針を掲げる会社ですから、2019年までは福岡県糸島市にサテライトオフィスがあり、全員順番に1週間ずつリゾートワークを実施していましたし、海外拠点の台北やバンコクへの出張も増えて、これはいよいよ全メンバーが順番に海外出張することも可能なのではないかというところまで来ていました。海外メンバーにとっても、北海道札幌という観光都市に拠点があるメリットは大きくなるはずでした。

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糸島のSALT(現在はGear8のシェアオフィスはお休み中)あまりにも良い絵

ところが、遠方にわざわざ赴いて環境を変えるという事ができなくなり、それどころか一時は札幌を出ることもできず、自宅周辺に閉じ込められる状態になりました。場所を好きに選んで働ける職種で、違った環境に身を置くことの解放感や楽しさを知っていただけに、のばしまくっていた羽をがんじがらめにされた思いでした。が、、、

札幌に暮らし、働く意味を考える

札幌といえば、車30分の移動で大自然に身を投じることができるうえに、コンパクトシティで生活利便性があり、市町村魅力度ランキングでは常に上位にいる街です。コロナ禍をきっかけに北海道に閉じ込められた私たちは、そもそもが快適な環境にいることを思い出しました。そして、改めて北海道にいる素晴らしさをもっと知り、もっと享受すべきだと気付きました。自由になるベクトルを変えて、札幌よりもさらにいい環境で仕事ができないか貪欲に模索し始めました。

まずはキャンプミーティングから始まった

コロナ禍で大流行したアウトドアレジャーですが、北海道ほどキャンプと相性のいい場所はないのではないでしょうか。土地は広く空気はきれい、どの場所にもだいたい温泉があって土地の美味しい食べ物があるし、サラッとした気候で夏は涼しく虫も少ない・・・・。Gear8内でもキャンプ人口が徐々に増え始めて、気付けば半数が自前のキャンプ道具を持ち合わせているという集団になりました。普段と違う発想が求められたりアイデアを出しあう少人数でのロングミーティングは、デイキャンプでやるというのが定番になりつつあります。

-札幌から車で30分の茨戸

日帰りデイキャンプ、焚火を眺めながらディスカッションするだけで、なんとなくやさしい会話に・・・?

青空のもと「アイデアも青天井で」をスローガンにした、新しい社内制度を考えるミーティング

-札幌から車で1時間の厚田

テントサイトのど真ん中で、海外とのオンラインミーティングもできるんだ、、、という当然のような不思議なような光景が印象的でした。

バンコクのクライアントとオンラインミーティングをする梅木。

-札幌から車で2時間の洞爺湖

キャンプミーティング駆け出しの頃で、約1名パジャマを持って参加するという失態がありましたが、、、。オフィスやミーティングルームだったら絶対こんな長時間話せないだろうと思いました。

晩秋の洞爺湖湖畔、テントで第13期のコンセプトを考えるミーティング。冷え込みがすごい。

-札幌から車で5時間のオンネトー湖

もはやキャンプミーティングではなくなっていますが、こちらはGear8も参加している「Into the local」というローカルを旅するメディアの取材で行きました。夏はエメラルドグリーンの美しい湖として有名なオンネトーですが、想像以上に素晴らしい体験でした。詳しくはこちらの記事を。

手つかずの森の中は、完全に鹿と狐の棲家でした。マジックアワーのオンネトー湖は絶景です。

というように、キャンプ好きが高じて始まったキャンプミーティングですが、色んな気づきがありました。

  • 一人ずつ順番に行ったワーケーションと違い、複数人でいくことでコミュニケーションが生まれる。
  • キャンプという仕事以外の共同作業をすることで、いつものオフィスとは違う表情が見える。
  • 業務連絡以外のどうでもいい雑談ができるし、くだらない事を許せる。

環境を変えて頭の使いどころを切り替えたかっただけなのに、ちょっとしたチームビルディングのような思わぬ副次効果があるのではないか?と、じわじわ実感してきていました。何よりマスクなしで美味しいもの食べられて最高じゃないですか。

北海道は、ワーケーションの宝庫である

北海道各地でその良さを知っている人にとっては今更か!という感じなんですが、まずは札幌市民に広まっていくのも大事ですよね。北海道のあちこちでワーケーション環境が整いつつあります。ネットがつながっていてノートPCがあれば仕事ができる私たちが、先陣を切って旅するべきなんじゃないでしょうか。北海道をたくさん旅できるチャンスがあるのは、道内交通の要所である札幌に住んでいるからこそ、、、という、15年前に移住してきた頃の気持ちに原点回帰しています。

-千年ナラの森と海に挟まれた浜益町

こちらはGear8が「森のピタゴラス」のWebブランディングをお手伝いしたEZO ROCKさんと浜益町共同の取り組み。一面海を臨む高台に、アイヌ伝説の残る岬、裏には千年ナラの森があり、ワークスペースとは別に一棟貸しの宿泊施設も用意されています。夏にエンジニアチーム4名でワーケーションを実施し、日中は森を樹木医とともに探険、夜は近所の方がお手紙とともにプレゼントしてくださった獲れたて野菜でみんなでカレーを作ったようです。いつかこの時のエピソードは石塚が語ってくれるはず。

こちらは海が一望できるWifi完備のワークスペース(写真は森側)。

-田園風景の中で牛と過ごす栗山町

昨年まで一緒にGear8でディレクターをしていた長君が参画している、栗山町菅野牧園さんのキャンプワーケーション企画に、この秋テストケースとして8名で参加しました。牧場の案内や体験、栗山町内でのランチ、夜のキャンプとテントサウナ、早朝の温泉、、、と、盛りだくさんにしていただいたおかげでほとんどワークできないという嬉しい失敗に終わってしまいました、笑。

牛にエサをあげたり、牧草ロールに乗ったり運んだり、菅野さんに案内してもらいながら牧場体験。

普段はランチ営業しているカフェでがワークスペース。高台から見える栗山町と田園風景が一面に広がっています。

ですが、キャンプや地域の特性を活かして、普段の業務以外の課題に挑戦できる場所・空間としての期待がありました。PCを開けば一瞬で仕事に没頭できるメンバーが揃っているのできちんと計画すれば通常業務も可能ですが、せっかくならその場に居なければできない体験を大事にしたいですよね。

なんか毎回この構図で写真を撮っているGear8、真ん中は今回アテンドしてくれた長君。

(私個人としては経産牛をバーべーキューで出していただき、最後まで命を大事にいただく経験ができたことと、テントサウナの素晴らしさに目覚めた二つが大きかったです)

菅野さんみずから、バーキューを焼いてくださるという贅沢な時間。

-海と森のめぐみがたっぷりの積丹町

私たちがWebサイトやパンフレットなどのツール作成をお手伝いした積丹町のプロジェクト「SHAKOTAN海森計画」。2022年は鍋アドベンチャーなる、美味しいものとアクティビティがセットになったイベントが開催されていて、ワークなしのバケーションにももってこい。積丹といえば「夏に雲丹を食べに行くだけのところ」という認識を新たに、知られざる魅力に浸るいいきっかけになりそうです。ワーケーションの実施には至っていませんが、石蔵をリノベーションしたレンタルスペースなどもあり環境はすでに整っています。あとはいつ行くかだけ?

石蔵を改装したレンタルスペース。積丹ジンも購入できるし、イベントスペースにも使えます。

「未来から考える。」ことができるチームになる

2022年、ようやく移動制限がなくなり、またこれまでとは違った新しい環境を探し始めました。もう、仕事か仕事じゃないかわからないような相談をいただくことも多いし、仕事をするのは、そうと決まった場所じゃなくてもいいのではないかと感じています。どんな場所でも、いつでも、パフォーマンスを出せるチームでありたい。

もちろん、ホワイトボードや各種資料がすぐ手元にあるようなオフィスでのミーティングが適している場合もあります。ミーティングのゴールを定め、課題を解決し、ビジネスを成功させるための短期的なアイデアを出しあうような場所として整った環境も必要でしょう。

一方で、ゴールや正解のないことについて話し合い、互いの異なる考えを認識し、「こうなったらいいな」という未来をチームで共有する場として有効なのは、バケーションのように自然と心身を解放してくれる環境だと感じます。

さらに、来年以降は海外渡航もしやすくなりそうな気配です。海外もふくめて全拠点を巡り合うグローバルのチームビルディングに挑戦しながら、違ったままに混ざり合い、全員でおもしろく明るい未来を描き仕事をする。今期からは「未来から考える。」を新しいステートメントとして、みんなでそれを実現できるチームを目指していきたいと思います。

 

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Fukumi Kitagawa

1982年2月大阪生まれ。京都府立大学入学を機に京都に7年住み、2007年縁があって札幌に来ました。

両親ともにデザイナーで母は染色作家という家庭環境の影響と、学生時代の趣味の延長でウェブデザイナーとして社会人スタート。ウェブデザイナーとして3年、水野との出会いとなった前職でウェブディレクター兼デザイナーとして4年を過ごし、「北海道を旅立つ前の最後の仕事」という気持ちでGear8に入社(結局16年を札幌で過ごし完全移住)。Gear8ではディレクション、新拠点・オウンドメディアの立ち上げ、広報・採用でのブランディング面などほぼ全般に関わっています。

プライベートでは生田流箏曲の師匠試験に合格。週末はほとんど三味線と箏の練習ざんまい。音楽文化を通じた日本美の追求がライフワークです。