2022.08.08

SHAKOTAN海森計画 - Webデザインを超えて、地域をデザインするということ-後編-

Fukumi Kitagawa

こんにちは、佐藤夏希です!
暑い日が続いていますね。北海道の短い夏を楽しみたい!と思うのですが、ここまで暑いとクーラーの効いた部屋にいたくなります。

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さて、本日は海森計画への取材後編をお届けします~!前編はこちらから

ダイジェスト的に今回の取材趣旨をお話ししますと、積丹の地方創生・活性化プロジェクト「SHAKOTAN 海森計画」のWebサイトやプロジェクトコンセプト、ロゴなどをGear8が担当させていただきました。Gear8はWeb制作会社なのに、なぜプロジェクトのコンセプト作りからご一緒できたのか?ということを聞きに積丹に取材にきたところです。

本来は積丹の綺麗な海や森を取材し、SHAKOTAN 海森計画ってこういう場所を後世に残したいんだっていうのをsummitをご覧の皆さんにも見ていただきたかったのですが、生憎の天気で曇天なのです。

前編に引き続き曇天の空の写真登場です。

Gear8で作ったWebサイトには、美しい積丹の写真がたくさんあるのでそちらをご覧いただければ幸いです。積丹ブルーもこちらで見れます。

SHAKOTAN 海森計画
https://umimori.club/

元々予定していた積丹の風景撮影はできませんでしたが、海森計画の代表・岩井社長とGear8のWebディレクター・北川ふくみさんの対談インタビューは予定通り行うことができましたので、そちらをご覧いただけたらと思います!

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夏希:本日はどうぞよろしくお願いします!もう今日はシンプルに言っちゃうと、Gear8とお仕事してみてよかったことや印象に残ってることを教えていただけたらと考えています。

岩井社長:ストレートですね(笑)でも取材のお話しをいただいたときにそうなのかな?と思っていました。

北川:お忙しいところ恐縮です。今日はよろしくお願いします。

海森計画代表・岩井社長

岩井社長:最初は弊社の対木に私から「海森計画のコンセプトを形にしたいんだけど、どこか良い会社知ってる?」と声をかけたことが始まりでした。なので、Webサイトを作りたいという気持ちもあったのですが、どちらかというとコンセプトを固めたい気持ちの方が強かったです。そこで対木から紹介されてGear8さんを知って、海外進出(Gear8はタイ・台湾にも法人があります)をしていて、世界を知っている人たちに頼みたいと思ったんですよね。
というのも、僕たちがやろうとしている事の大きさを世界規模の感覚から位置付けたいと思っていて、自己満足で終わらないように、世界で今行われている事とずれないように図りながらプロジェクトを進めたいと考えていました。

北川:対木さんとは、元々Gear8で運営している日本人向けのチェンマイの旅メディア(Trippino CHIANGMAI)のローンチイベントをチェンマイで開催したときに来てくださったのがご縁で、私は対木さんとはその時から知り合いでした。

岩井社長:あ、そうだったんだ。チェンマイ現地に対木が行ったの?

北川:そうです。

岩井社長:それは知らなかった。それでGear8さんのデザイン力とかは充分知ってたから、実際にプレゼンしてもらって、社長(水野さん)の手書きのワイヤーフレームとかももらってね。

北川:いつものやつですね、恐縮です。

名物?手書きのワイヤーフレーム。

岩井社長:こちらがデザインをお願いするときって、デザインもだけど、考えることを形にする自信がなくてお願いするので、自信を持たせてくれるのが大きいかなと思っています。北川さんみたいにフォローをしっかりしてくれる人の体制ってありそうでないから、安心感を持たせてくれたのが決め手でGear8さんにお願いしようと思いました。
さっきも話したけど、デザイン力とかはいろんなものを見ていてわかっていたので、どういうことを見出してくれるか絵は見えていなかったけど、底の部分は信頼していました。

北川:私も今回のお話しをいただいた時は、最初理解するのにちょっと時間がかかりました。形にしづらいし、難しいなあって。こう見せたら正解っていうのを決められなくて、グラグラ迷いながらやっていく体制で許してもらえたので、いろいろ試行錯誤しながらすすめていけた感じですね。

岩井社長:5つのプロジェクトの部分も、「コンセプト考えてください」と北川さんに言われて、必死に考えて渡すと、そこから展開させて戻してくれる。戻してもらったものを見ると「あーこういうことか」という自分が考えたことなんだけど、妙に納得感がありました。「こうしましょう」って俺も決めれないし、北川さんも決めれない中でキャッチボールをしながら作り上げていって、一緒に作ってもらった感があります。形のないものを形にするって大変で、僕も初めての作業でした。僕の立場上、企業や個人の方にこのプロジェクトを説明して支持してもらわないといけないので、ひとことで伝えられるようにするための作業を北川さんにもフォローしてもらった感じです。

ふくみさんの印象は、仕事を淡々と進める人。

夏希:ふくみさんとお仕事してみて印象に残ってることはありますか?

岩井社長:北川さん、着物の着付けやってたよね?

北川:ははははは(笑)着付けやってないです。京都で箏・三味線の会があって自分で着付けをしなきゃいけないから、自分で着物を買って着る練習をしていたんですよね。コロナで会はなくなったんですけど、それを練習風景をインスタにあげたのを岩井さんがご覧になったのかと。

岩井社長:箏・三味線と着付けが気になりました。

夏希:私も気になりますが、着付け以外でお願いします。

岩井社長:仕事としては、非常に淡々と進められる方だなという印象。イメージを語りやすく整えてくれて、あまり価値観を押し付けてこなかったのがよかったです。淡々と進める中にもしっかりと自分の考えがあって、非常にこちらも言いやすく受け入れやすいフォロー体制がよかった。大変だったと思いますが、その中でやりやすい・スピード感がよかった。

印象は着付けと言われていたふくみさん。すごい笑ってました。

北川:私が進めないと、進まないなっていう感じがありました(笑)わかんないからとりあえず形にしないといけないなっていう、焦りがすごかったです。ひとつひとつの作業に分解して、例えばデザインやコンセプトはそれぞれ落とし込めばできるけど、順番や優先順位をつけずに全てを同時に一気にぐっと進める感じだったので、そこが非常に大変でした。普通のプロジェクトみたいに、普通にスケジュールをたてて、このタイミングまでにこれやってみたいな感じではなく、やってる作業は複雑怪奇でした。あっちもこっちもやる感じ。
具体的な話でいうと「海森会員っていう名前はどうするか?」っていう名前の話をしているときに、「ロゴもないからどうしよう?」みたいな鶏が先か卵が先かという話ですね。海森っていう表記も最初はローマ字だったけど、ローマ字である必要があるのか?みたいな。

岩井社長:ロゴも10種類以上だしてもらったよね。ロゴを出してもらって決まったあとに、コンセプトやサイトの構成にまで引き上げてくれて、その時に「ああ、もういけるな」と思った。

北川:名前も結局ゆるゆるで決まってないけど、シンボルがないと語りづらいから先にロゴを決めたいけど、コンセプトも決まってない。コンセプトが反映されたものがロゴだから。コンセプトもロゴも同時に決めて、キャッチコピーがこれだったら、ビジュアル、ロゴはこっちですよね。とだいぶバラバラな案をいくつか出した気がします。

岩井社長:いろんな企業の人と話す機会があって、その時にどういう風に話すのが納得感をもってわかってもらえるか、見せ方を考えなきゃいけない。「冒険」や「拓く」っていう言葉を使って関わっていく人たちを巻き込んでいきたいと思っていた。この感覚は僕だけが持っていたので、よくそこを汲み取ってくれたなと思っています。

これからのSHAKOTAN 海森計画

岩井社長:サイトだったり、パンフだったり、海森スタジオだったり、いろんな人を巻き込んでいくための体制ができたと感じてます。攻める体制が整ったなと。人に説明をするときに、ビジュアルがあると一番伝わりやすいので、これからこの楽しい場所をどんどん発信していきたいです。今後は海森っていう冠で、他の地方でも展開していくのも楽しいかなと思います。例えば京都の海森計画とか。こういう場所が作れるんだってわかってもらえれば、美味しいものを食べたり美しい景色をみたり、同じようにポテンシャルのある町はまだいっぱいあると思います。

最初は海森計画が積丹ジンを売るためなんじゃないかと思われがちだったけど、今はもう積丹ジンは海森計画の一部になっている感覚。何かをきっかけに、外国人の人を含めて幅広い人に海森計画にアクセスしてもらって、積丹の良さを感じてくれたら、海森計画は成功したのかなと思います。今また海森計画の新しいプロジェクトが動き始めてるのでGear8さんにはまた一緒に動いていただきたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願いします!

夏希:岩井社長、ふくみさん、貴重なお話しありがとうございました!

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お話しを聞いておもったこと

前編後編いかがだったでしょうか。岩井社長のお話しを聞いていて「確かにGear8だったらクライアントさんと案件に対して伴走して、一緒に作っていくのが得意分野かも」と感じながら聞いていました。Webサイトを綺麗に整えて美しいデザインだけを作るんじゃなくて、その地域ごとデザインして本当の意味で良い形に整えるという作業が今回の「海森計画」を通して実現できたように感じます。とても良い機会を与えていただき、岩井社長ありがとうございました!

おまけ

悪天候だったこともあり、当初予定しているスケジュールの時間よりもかなり早く札幌に戻ることになり、積丹ブルーが見れないならせめて海産物だけでも!という4人の熱い決意のもと積丹で有名な「ふじ鮨」さんへ。完全に観光客になりつつ美味しいお鮨をいただいて帰札しました。

異色メンバーだったので、これはこれで楽しかったです。ゆりなちゃんは海森計画のパンフデザインを担当していたので一緒にきてくれました。

美味しかったお寿司たち。貴重なウニも・・・。

次はどんなお仕事風景がお届けできるでしょうか?楽しみに待っていてくださいね~!

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Fukumi Kitagawa

1982年2月大阪生まれ。京都府立大学入学を機に京都に7年住み、2007年縁があって札幌に来ました。

両親ともにデザイナーで母は染色作家という家庭環境の影響と、学生時代の趣味の延長でウェブデザイナーとして社会人スタート。ウェブデザイナーとして3年、水野との出会いとなった前職でウェブディレクター兼デザイナーとして4年を過ごし、「北海道を旅立つ前の最後の仕事」という気持ちでGear8に入社(結局16年を札幌で過ごし完全移住)。Gear8ではディレクション、新拠点・オウンドメディアの立ち上げ、広報・採用でのブランディング面などほぼ全般に関わっています。

プライベートでは生田流箏曲の師匠試験に合格。週末はほとんど三味線と箏の練習ざんまい。音楽文化を通じた日本美の追求がライフワークです。