業務で複数のZIPファイルを扱うとき、毎回1つずつ解凍して整理するのは意外と面倒です。
今回は、MacのAutomatorを使って「ZIPファイルをドラッグ&ドロップするだけ」で自動で解凍して1つのフォルダにまとめるアプリの作り方をご紹介します。
作りたいアプリのイメージ
- 複数のZIPファイルをアプリにドラッグ&ドロップ
- 自動で日時付きフォルダを作成
- 中身を一括解凍して1つのフォルダにまとめる
- 元のZIPはゴミ箱へ
- 解凍先フォルダをFinderで自動表示
作成手順
1. Automatorを起動
Launchpadから、Automatorを選択します。
もしくは、「アプリケーション」フォルダの中からAutomatorをダブルクリックしてもOKです。

続けて、「新規書類」→ アプリケーション を選択して進みます。

2. 「シェルスクリプトを実行」アクションを追加
左側のパネルから「ユーティリティ」を選び、その隣の一覧から「シェルスクリプトを実行」選んで、右側のスペースにドラッグ&ドロップで追加します。
動画スクショ↓
コードの入力欄が出てくるので、以下のスクリプトをそのまま貼り付けしてください。各設定値も同じようにします。

コピペ用スクリプト
# 保存先の親フォルダ(Mac標準のダウンロードフォルダ)
BASE="$HOME/Downloads"
# 日時でサブフォルダを作成
DATE=$(date "+%Y-%m-%d_%H-%M-%S")
DEST="$BASE/$DATE"
# フォルダを作る
mkdir -p "$DEST"
# ZIPファイルを1つずつ解凍
for zip in "$@"; do
if [[ "$zip" == *.zip ]]; then
echo "解凍中: $zip"
unzip -o "$zip" -d "$DEST"
if [[ $? -eq 0 ]]; then
echo "ゴミ箱へ: $zip"
mv "$zip" ~/.Trash/
else
echo "解凍失敗: $zip"
fi
else
echo "スキップ: $zip はZIPではありません"
fi
done
# Finderで解凍先を開く
open "$DEST"
3. 保存する
メニューから「ファイル」→「保存」でデスクトップなどの使いやすい場所に保存してください。
「フォーマット」は「アプリケーション」と指定してください。ファイル名は「ZIPまとめ解凍.app」など後からわかりやすいものが良いでしょう。

ミス防止チェックリスト
期待した動作がしなかった場合、悲しい気持ちになりますね。じっさい僕もやりながらうまくいかなくて途中でくじけそうになりました。。
Automatorで動かない原因の多くは設定ミスらしいです。
ので、以下の設定をチェックしてみてください!
設定項目 | 正しい設定 | (参考)この設定の意味 |
---|---|---|
シェル | /bin/zsh | zshで動作する構文に対応 |
入力の引き渡し方法 | 引数として | stdinへ では $@ が空になります |
「このアクションの入力を無視」 | チェックを外す | これがONだと $@ が空で処理されません |
4. 使い方
1)Finderで複数の .zip
ファイルを選択
2)作成したアプリにドラッグ&ドロップ
動画スクショ↓
ドラッグ&ドロップすると、「ダウンロード」フォルダ内に 2025-05-16_00-00-00
のような日時付きフォルダが作成され、中に複数のZIPファイルの中身がまとめて解凍されて入ります。

これだけです!無事動作していれば
- 解凍前のZIPファイルは自動でゴミ箱へ
- 解凍されたフォルダがFinderで自動で開く
と進むので、正しく処理されたかを確認してみてください。
ダウンロードフォルダ以外の場所に保存したい場合
上記のスクリプトでは、解凍したファイルはMacの標準の「ダウンロード」フォルダ(~/Downloads
)に保存されます。
別の保存場所に変更したい場合は、スクリプトの”BASE=”で始まる行を差し替えてください。
変更後は忘れずに、メニューから「ファイル」→「保存」で上書き保存してください。
# 保存先の親フォルダ(Mac標準のダウンロードフォルダ)
BASE="$HOME/Downloads"
差し替え例
保存したい場所 | 書き換える内容 |
---|---|
Dropboxのフォルダ | BASE="$HOME/Dropbox/_download" |
デスクトップ直下 | BASE="$HOME/Desktop" |
特定のプロジェクトフォルダ | BASE="$HOME/Documents/hogehoge" |
よくあるトラブルと対策
症状 | 解決策 | 原因 |
---|---|---|
解凍されない | ZIPを手動で開けるか確認。 また $HOME/Downloads に書き込み権限があるかチェック | ZIPが壊れている/権限エラー |
フォルダだけできて中身がない | 「このアクションの入力を無視」をオフにする | $@ にファイルが渡っていない |
Finderが開かない | 最終行を確認 | open "$DEST" がない/コメントアウトされている |
おわりに
Automatorを使えば、こんな「単純だけど毎日めんどう」な作業を解決できます。
今回のZIP解凍アプリは、Macを使っている方なら誰でも導入可能です。
業務効率化の第一歩として、良ければ取り入れてみてください!