こんにちは、ディレクターの秦野です。
先日、GEAR8の2026ニセコ合宿で「GEAR8 BootCamp Ideathon(アイデアソン)2026」というワークショップを行いました。今回のテーマは、「これまでなかった、朝に開催される祭りを発明する。」です。
朝のお祭り?なかなか聞かないですよね。しかも、ただ面白いお祭りを考えるわけではありません。今回考えるのは、「その祭りに参加するためには、その街に前日から泊まらないと間に合わない」お祭り。
北海道の地方観光について考えるところから始まった、丸一日のIdeathon(アイデアソン)です。
「観光には来る。でも、泊まらない。」

ニセコ合宿の2日目。代表の水野から今年のアイデアソンのお題が発表されました。
北海道には、魅力的な地方都市がたくさんあります。景色を見たり、写真を撮ったり、ご当地グルメを食べたり。ただ、その一方で、「昼に到着して、観光して、夕方には次の街へ」という旅行も少なくありません。今回のワークショップでは、そんな観光のあり方をひとつの課題として設定しました。
これまでなかった、
朝に開催される祭りを発明する。
観光地にありがちな行動を、「写真を撮る」「見て終わる」「日中の観光」「お金を使わない」と整理。だったら逆に、朝にしかできない体験をつくれば、そこに泊まる理由になるのでは?そこから今回のテーマが生まれたようです。
朝は、意外と「空白」だった

面白かったのが、「朝は、空白。」という考え方です。朝5時の市場。搾乳。漁船の出港。冬なら除雪車が動き出す時間。僕たちが観光地として見ている街にも、その土地の人たちにとっての「普通の朝」があります。でも、観光情報として紹介されているのは、旅行者が活動する昼間の情報が中心です。
たとえば時差ボケで朝4時に目が覚めた海外旅行者がいても、お店も観光施設もまだ動いていない。でも、その時間にはすでに、その街の暮らしは始まっています。この朝の空白に、その土地の日常を使って新しい体験をつくれないか。ここが今回のIdeathon(アイデアソン)のスタート地点でした。
祭りは「見せるもの」ではなく「共にするもの」

今回、最初に共有されたのが、「そもそも祭りって何だろう?」という話でした。水野の資料では、祭りを「見せるものではなく、共にするもの。」と定義しています。「祭る」は「祀る」「奉る」と同じ系統の言葉で、もともとは神さまに何かを差し出す、参加する行為から生まれています。つまり今回つくるものも、旅行者がただながめるだけでは祭りにならない。何かひとつ、行動に参加してもらう必要があります。
たとえば、「日の出を見る」なら観光。でも、「日の出に鐘をひとつ鳴らす」となれば祭りになる。「朝市を歩く」ではなく、「セリの掛け声を一回だけ真似する」でもいい。
汲む。
呼ぶ。
見送る。
踏む。
書く。
鳴らす。
配る。
灯す。
ほんの小さなことでも、旅行者が「見る人」から「する人」になる。この考え方が、今回のアイデアづくりのひとつの基準になりました。
すでに泊まる理由がある街は、外しました

今回考えるのは、北海道の観光企画です。ただし、札幌、小樽、函館、ニセコは最初から対象外。水野の資料には、その理由がかなりストレートに書かれています。「すでに泊まる理由がある街に、発明はいりません。」これは今回のワークショップを象徴している言葉だなと思います。
有名な観光地をさらに盛り上げるのではなく、まだ「そこに泊まる理由」が十分につくられていない街に、新しい理由を発明する。だからこそ、参加者が普段あまり詳しくない街も含めて、20の市町村が用意されました。
街と季節は、くじ引きで決める

用意されたのは20枚の「街カード」と、「春・夏・秋・冬」の4枚の季節カード。
美唄、浦河、様似、沼田、江差、稚内、名寄、留萌、東川、羽幌、増毛、豊富、猿払、弟子屈、厚岸、池田、羅臼、陸別、鶴居、津別。
街を1枚。季節を1枚。そして、引き直しはなし。自分たちが知っている街や、企画しやすそうな場所を選ぶことはできません。まずは引いた街を調べ、その土地の産業や自然、暮らし、朝に行われていることを探していきます。知らないからこそ調べる。知らないからこそ、先入観なく考えられる。この“強制的な偶然”も、今回の仕掛けのひとつでした。
最初はひとりで「祭りのタネ」を考える

チームでいきなり話し合うのではなく、最初の90分は個人ワーク。一人3案の「祭りのタネ」を考えます。しかも文章だけではなく、紙に絵を描いて表現します。ここで設定されていたルールが面白く、「絵は下手くそなほど盛り上がります」「持続性や予算などはまだ考えなくていい」「タイトルは全部仮でOK」そして、「誰でも思いつくものではなく、とんでもないアイデアを発明する」というもの。
普段の仕事では、どうしても予算や工数、スケジュール、実現可能性を考えながら企画します。もちろん、それは必要なことです。でも今回は、最初の段階ではそこを考えない。“できるかどうか”より、“そんな発想あった?”を優先する。普段とは逆の順番で企画を考えてみました。
そして今回は「AI禁止」

今回、かなり重要だったと思うのがこれです。AIでアイデアを考えるのは禁止。最近は、企画の壁打ちでも、調査でも、資料作成でも、とりあえずAIに聞いてみる場面が増えています。僕自身もかなり使っています。でも今回は、あえて使わない。知らない街を自分で調べて、自分で考えて、紙に描いて、人に説明する。
さらに、チームメンバーのアイデアを聞きながら、「それとこれを組み合わせたらどうなる?」と、人間同士で発想を重ねていきます。グループワークのルールも、
「ボケる勇気」
「乗っかる優しさ」
「突っ込む愛情」
そして、
「否定は禁止」
でした。
AIを使わないこと自体が目的ではなく、まずは自分たちの頭の中にあるものを全部出してみる。そんな時間だったように思います。
アイデアは「選ぶ」のではなく「混ぜる」

個人で出したアイデアは、そのまま一番良い案を採用するわけではありません。チーム内で共有し、面白そうな「タネ」を2つ選んで掛け合わせます。資料で紹介された例では、「野道で薬味を摘む祭り」と、「朝霧の湖でサウナに入る祭り」を掛け合わせて、「薬味ロウリュ祭」という企画に発展。
朝摘んだ香草をテントサウナのロウリュに使い、サウナ後には同じ薬味が載った朝そばを食べます。一つひとつのアイデアだけでは思いつかなかったものが、誰かの発想と混ざることで、突然別のものに変わる。この「アイデアを選ぶのではなく、混ぜる」という工程が、今回かなり面白かったところでした。個人で考えたアイデアは、まず一度それぞれ発表・投票したうえで、今度はチームの材料として再び使っていきます。
まずは、個人戦。自分のイチオシを発表する

チームでアイデアを掛け合わせる前に、まずは一人ひとりが考えた「祭りのタネ」を壁に貼り出しました。それぞれが考えたのは、3〜4個のアイデア。同じ街、同じ季節をテーマにしていても、考える人が違うと出てくるものが全然違います。「そんなところに目をつけるんだ」「それ、祭りになるの?」みたいなアイデアが、壁いっぱいに並んでいきました。
そして、その中から各自が自分のイチオシのアイデアをひとつ選び、みんなの前で発表します。ここまでは、ある意味“個人戦”。チームでまとめる前に、まずは自分のアイデアを自分の言葉で伝える時間です。最後には、全員で投票も行いました。
投票部門は3つ。
「とんでもないアイデアで賞」
赤いシールを1人3枚。
「この祭りには行きたいで賞」
黄色いシールを1人3枚。
「この先何年も続く祭りで賞」
緑のシールを1人3枚。
それぞれ、「一番ぶっ飛んでいたもの」「純粋に体験してみたいもの」「実際に地域に根づきそうなもの」と、違う視点でアイデアを見ていきます。
とんでもないアイデアで賞

ディレクター待島「さらば留萌駅!爆破脱出ゲーム祭」
留萌市×冬をテーマに、旧留萌駅を舞台にした早朝の脱出ゲーム。朝3時、ベルが鳴ったらゲームスタート。世界の危険な脱出ゲームの猛者たちが、雪の中で謎を解きながら“爆破”までにお宝とゴールを目指すという、タイトル通りかなりとんでもないアイデアです。さらに、旧留萌駅だけでなく沿線の廃線駅にも横展開できるという構想まで入っていました。

ちなみに留萌駅は、留萌本線の石狩沼田〜留萌間廃止に伴い、2023年3月31日に営業を終了しています。現在、旧留萌駅跡地では新しい交流複合施設の整備が検討されているほか、留萌市では線路や鉄道資源を観光に活用する「るもてつサポートメンバー」の活動も行われています。つまり、本当に駅を爆破するのは当然無理ですが(笑)、廃駅や鉄道遺産を使った体験型イベントという発想自体は、意外と現実から遠くありません。
「廃線」という少し寂しい出来事を、最後にみんなで遊び倒すイベントへ変えてしまった発想が好きでした。“なくなるものを惜しむ”ではなく、“なくなるからこそ祭りにする”。とんでもないアイデアで賞らしい、振り切り方だったと思います。
この祭りには行きたいで賞

デザイナー大道「霧が出なければ中止の映画祭」
陸別町×夏をテーマにした、朝霧そのものをスクリーンにして映画を上映する早朝映画祭。朝4時に霧の状態を確認して開催するかどうかを決定し、霧が薄ければ映像も薄い。そして霧が出なければ、潔く中止。映画を見るためには前日から泊まって、当日の朝まで開催されるか分からないという、かなりギャンブル性の高いお祭りです。

面白いのが、これが完全な空想でもないところ。人工的に発生させたミストへプロジェクターで映像を投影する「ミストスクリーン」はすでに実用化されていて、霧に映像を浮かばせるという技術そのものは実現可能です。 ただし陸別は盆地で、晴れて風の弱い朝ほど放射冷却が強まる土地。日本一寒い町として知られる理由もここにあります。つまりこの祭り、雨でも曇りでもダメ。「晴れた朝にだけ霧が立つかもしれない」という、かなり細い条件に賭けることになります。
普通ならイベントにとって最大のリスクになる「天候次第で開催できない」を、むしろ体験価値にひっくり返したところが好きでした。「今年こそ見たい」と何度も陸別に泊まりに来る人まで出てきたら、それこそ今回のテーマにぴったり。見られなかったことすら思い出になる、ちょっとロマンのあるアイデアでした。
この先何年も続く祭りで賞

デザイナー杉山「うしねぎらい祭」
陸別町×夏をテーマにした、乳牛としての役目を終え、出荷される牛をみんなで見送る朝の祭り。牛が出荷される朝、酪農場に集まり、「おつかれさま」の気持ちを伝えて送り出すというアイデアです。

陸別町は実際に酪農・畜産が基幹産業で、人口を大きく上回る数の牛が暮らしています。 また、搾乳の役目を終えた乳用牛は、その後食肉などとして利用されることがあります。
だからこの企画は派手さはないけれど、陸別の日常そのものを祭りに変えているのがすごくいいと思いました。観光客向けにつくったイベントではなく、もともとそこにある営みを一緒に体験するという意味では、今回の「祭りは共にするもの」というテーマにもかなり合っています。
牛乳や肉を普段当たり前に口にしている僕たちが、その手前にある酪農や命について少し考える時間になるのも、この祭りの良さだと思いました。大げさな設備も必要なく、地域の酪農家と一緒につくれれば、本当に毎年続いていきそうです。まさに「この先何年も続く祭りで賞」らしいアイデアでした。
こうして個人のアイデアを一度しっかり見せたあと、ここからはチーム戦へ。それぞれの「祭りのタネ」を持ち寄って、2つのアイデアを掛け合わせながら、チームとしてひとつの「朝の祭り」に育てていきます。
4チームが考えた「朝の祭り」

ここからは、実際に4チームが発明した朝のお祭りを紹介します。各チーム、個人で出たアイデアを掛け合わせながら、新しいひとつの祭りを作り出しました。一人では出てこなかった発想も、別の人のアイデアと混ざった瞬間に、一気に違うものになっていきます。「どちらかを選ぶ」ではなく、「どうしたら両方を面白く混ぜられるか」。各チーム渾身の「祭り」を発表しました。
TEAM ハヤブサ(中山/塚本/杉山/大道/藤原)

【街 × 季節】陸別町×夏
【祭り名】牛より早起き選手権 モーモーサーキットレース!
TEAMハヤブサが考えたのは、陸別町の牧場をサーキットに見立てた、朝3時30分スタートの超早朝レースイベント。ターゲットは台湾・香港から訪れるファミリー層で、参加者は牛をモチーフにしたコスプレなどで競技に参加し、酪農体験も楽しむという、かなり賑やかな企画になりました。
酪農・畜産が中心の町、陸別町。 夏至の頃の日の出は午前3時40分前後。つまり3時30分スタートは、本当に日の出より早い。前日に陸別へ泊まらなければ参加するのはほぼ不可能で、「朝の祭り」という今回の条件にもかなりハマっています。
牧場で実際にレースイベントを開催するとなれば、安全面や衛生面など当然クリアしなければいけないことはありそうですが、「酪農の町だから牛を見る」のではなく、自分たちまで牛側に入って遊んでしまう発想が面白いですね。早朝から全力で体を動かして、その後に陸別の牛乳や乳製品を使った朝食までセットになったら、かなり記憶に残る観光体験になりそうです。
タイトルの「牛より早起き」だけで何をする祭りなのか想像したくなるのが強いと思いました。陸別の「酪農」と北海道の夏の「日の出の早さ」を、ちゃんと朝に泊まる理由へ変えたアイデアでした。
TEAM オオハシ(石塚あ/沖田/小松田/渡邊)

【街 × 季節】美唄×秋
【祭り名】北海道最長祭!美唄アスパラソン
TEAMオオハシが考えたのは、美唄のまっすぐな道を舞台に、朝5時から走る「美唄アスパラソン」。コースの先では、美唄の米やアスパラなどを使った朝ごはんが待っているという、美唄の「長い」と「おいしい」を掛け合わせた早朝ランイベントです。
美唄を通る国道12号には、美唄市光珠内町から滝川市まで約29km続く日本一長い直線道路があります。 さらに美唄は道内有数のアスパラ産地。露地ものの最盛期は5〜6月ですが、北海道でいち早く導入した立茎栽培によって9月中旬頃まで収穫できるそうです。つまり、設定されていた「9月中旬〜下旬」なら、時期を少し調整すれば地元産アスパラもちゃんと登場させられそうです。
もちろん、日本一の直線国道をそのままランイベントで使うとなると交通規制などのハードルはかなり高そう。でも、コース設定を工夫すれば、「どこまでもまっすぐ」という美唄ならではの景色を走る体験自体はかなり魅力があります。
そしてこのチーム、発表ではなんと「美唄アスパラソン」のオリジナルテーマ曲まで作ってきました。企画書だけではなく、音楽までつけて祭りの世界観をつくってしまうあたりが、Ideathon(アイデアソン)らしい!
こちらも「アスパラ+マラソン=アスパラソン」というネーミングの時点でインパクト大。日本一長い直線道路を走って、最後に美唄の朝ごはんを食べる。実際に開催されたら、ちょっと参加してみたい祭りでした。
TEAM トナカイ(石岡/秦野/石塚し/須藤)

【街 × 季節】厚岸町×春
【祭り名】ウィスキーを作って育てる「オーナーズカスクフェス」
僕が入っていたTEAMトナカイが考えたのは、厚岸で自分たちのウイスキーを仕込み、その樽を毎年訪れながら育てていく滞在型のウイスキーフェス。ターゲットは欧米の富裕層で、朝6時から仕込みなどに参加し、その年だけで終わらず、熟成の様子を見るために翌年、また翌年と厚岸へ戻ってくる仕組みにしました。
厚岸町では実際に2016年から「厚岸ウイスキー」の蒸溜が始まっていて、現在は原材料をすべて厚岸産にする「厚岸オールスター」ウイスキーの製造も進められています。冷涼で霧の多い気候は、スコッチウイスキーで有名なアイラ島に似ているともいわれていて、ウイスキーを軸にした観光との相性はかなり良さそうです。
僕らがさらに考えたのが、厚岸にある島を舞台にして、グランピングやバーなども備えた“ウイスキーを育てる島”にしてしまうこと。毎年、自分の樽に会いに行くという理由があれば、「一度行って終わり」ではなく、何年も厚岸に泊まる理由ができます。
「ウイスキーは完成まで何年もかかる」という弱点を、「毎年この街に戻ってくる理由」に変える発想は、自分たちでも結構気に入っています。普通の祭りは一日で終わるけれど、この祭りは完成まで何年も続く。今回のテーマだった「地方に泊まる理由をつくる」という意味では、かなり面白い形にできたんじゃないかと思います。
TEAM ハクトウワシ(梅木/橋本/待島/北川)

【街 × 季節】留萌市×冬
【祭り名】留萌荒波祭
TEAMハクトウワシが考えたのは、留萌の冬の荒波を逆手にとって観光資源にしてしまう「留萌荒波祭」。寒さと風が厳しく、波が最も荒くなる冬の朝に集まり、海を舞台にしたボートレースなどを楽しむという、今回の中でもかなりワイルドな祭りです。
実は留萌の荒波、単なるイメージではありません。北海道開発局では、留萌沿岸の波濤をインドのマドラス、スコットランドのウィックと並ぶ「世界3大波濤のひとつ」として紹介しています。特に秋から冬は日本海を渡る強い季節風によって波が大きくなり、過去には最大波高7.6mを記録したこともあるそうです。
なので「留萌の冬の荒波を見に行く」というところまでは、意外と地域性に根ざした企画。ただし、本物の荒波の中でボートレースをやるのはさすがに危険かも(笑)。実際に開催するなら、荒波は観覧するメインコンテンツにして、競技は港内など安全を確保できる場所で行うくらいが現実的ですね。
そしてこのチーム、発表では「留萌荒波祭」のPVまで制作していました。今回、アイデアを考える工程ではAI禁止でしたが、プレゼン資料をつくる段階ではAIによる補足はOK。企画そのものだけではなく、「どう見せれば行きたくなるか」まで作り込んでいたのが印象的でした。
普通なら「冬は風が強くて海が荒れる=観光には向かない」と考えてしまうところを、その弱点そのものを祭りの主役にしてしまったのがこのアイデアの面白さ。しかも「世界3大波濤」という強いストーリーまである。冬の留萌にわざわざ泊まりに行く理由として、かなり可能性を感じる企画でした。
そして、そのまま打ち上げへ

4チームすべての発表が終わったところで、この日のIdeathon(アイデアソン)はひとまず終了。豪華景品が授与される水野賞の発表は翌日となりました。一から街を調べて、一人でアイデアを考えて、絵を描いて、発表して、さらにチームでもう一度考える。気づけば、ほぼ丸一日アイデアのことばかり考えていました。
そして終了後は、そのまま夕食&打ち上げへ。合宿なので、ここで解散ではありません。さっきまで真剣に考えていた企画の話を続けたり、全然違う話をしたりしながら、ここからはニセコの夜を楽しみました。一日ずっと頭を使ったあとのご飯とお酒は、当然ながらおいしかったです。
AI時代だからこそ、自分で考える時間をつくる

今回やってみて改めて感じたのは、アイデアって最初から「正解」を探そうとすると、意外と出てこないということです。
「それ意味ある?」
「実現できる?」
「予算はいくら?」
仕事では当然必要な視点です。でも、発想の一番最初からそこを考えてしまうと、どうしても自分たちが知っている範囲の企画に収まってしまいます。今回はそこを一旦全部外して、
考える。
描く。
人に話す。
人のアイデアに乗っかる。
混ぜる。
一日かけて、それをひたすら繰り返しました。普段ならAIに、「北海道の○○町で面白い観光企画を10案考えて」と聞けば、数秒でそれらしい案が出てきます。でも、その数秒をあえて使わない。知らない街を調べながら、自分の頭で考えて、隣の人のちょっと変なアイデアを聞いて、「だったら、こうしたらもっと面白くない?」と話しながら広げていく。
効率だけを考えれば、かなり遠回りです。でも、資料の最後に書かれていた今回のテーマは、「こんな発想があったのか!をAI無しで考える」というもの。振り返ってみると、まさにその通りの一日でした。
そして翌朝、最後に発表された水野賞は、TEAM オオハシの「美唄アスパラソン」!日本一長い直線道路とアスパラを掛け合わせ、テーマ曲まで作り込んだあの企画が選ばれました。
今回やってみて思ったのは、AIを使わないことが大事なのではなく、最初から答えをもらわずに、自分たちで考える時間を持つことが大事なのかもしれないということです。
AIを使うことが当たり前になった今だからこそ、あえてAIを閉じて、考えて、描いて、人のアイデアに乗っかってみる。
そうやって自分たちの頭で「まだないもの」を考える時間も、これからの僕たちに必要な、ひとつの“探究”なのかもしれません。













































