2018.05.21

北海道パスタのパッケージ開発

Asaka Sato

スープカレーの次はパスタソース!
北海道ならではの商品を、ちょっとしたお土産にちょうどいいパッケージにしたお話。

先日のスープカレーの記事でご紹介した「うちのスープカレー」ですが、実は最近ひとつ新しい姉妹商品が生まれました。
こちらも弊社でパッケージデザインなどさせていただいたので、今回はそのお話。

新しいアイテムは「うちのパスタソース」というシリーズで、名前の通りカレーではなくパスタです。
北海道の食材を活かしたお手軽なパスタソースで、調理も簡単。こちらもパッケージは弊社で制作したのですが、今回はそこから派生したお土産向けの商品についてお伝えしたいと思います。

IMG_1+通常のうちのパスタソース。味は3種類。

始まりは、このパスタソースでおしゃれなパッケージに入ったお土産向きのタイプを作りたいという企画をメーカーから頂いたこと。低価格帯で小ぶりなパッケージ、冷蔵品でもなく気軽に購入出できて、ちょっとしたギフトに選んでもらえるような商品にしたい。内容としては1食分のソースと、パスタ麺をセットにしたもので、北海道産の食材を使っていることから空港などでもお土産として選んでもらえるようなものをという考えでした。

IMG_3928

土台となるパッケージの箱のかたちは既に決まっていたので、あとはどんなデザインを載せるかというところからを弊社で詰めていきます。メインターゲットは20~30代女性ということで、社内デザイナーの朝香と韓、それから私でパッケージ案を持ち寄ってまずはディスカッションしていくことに。
指定の箱はクラフト色で、前面に一箇所穴をあける加工が可能。空けた穴からパスタの乾麺をのぞかせ、見栄えのアクセントにしたいと考えました。穴の形は変更可能なため、パッケージのデザインはその穴のあけ方も含めた提案ということになります。
せっかくの北海道産小麦を使用したパスタ麺なので、自然や麦の穂をモチーフにした柄をパッケージ自体にもプリントするという案が出て、全体に模様を入れることに決定。選んだ矢絣のような柄は、フランスの伝統的な焼き菓子に使われる麦の穂の模様からイメージをもらいました。

箱をくるむように付ける帯の部分のデザイン作りにあたっては、まずはロゴ作り。
なるべくたくさんの案を描いて集まり、そこから絞ったものを整えて選出していきます。

見た目の可愛さや分かりやすさから、当初の予定から変更してメインの商品名は英語ではなく日本語での表記に。ロゴが決まったら、そこから帯のデザイン、色合いなどを複数パターン出しながら検討していきます。

味が3種類あるので、それぞれのカラーやモチーフがわかりやすいようにバリエーションをつくり、3つ並べても単体でも魅力的になるように。
パッケージの天面にあたる部分にも味ごとのマークを入れることで、まとめて箱詰めされていてもどの味か分かりやすくなりました。デザインに合わせてロゴも再度調整していきます。

IMG_3466

お客さまとも打合せや試作を重ねて、決まったデザインを印刷して確認。
箱に重ねて巻く帯なので、紙質もいろいろなものを試してインクのりや紙の強さ、厚みなどをチェックしながら選んでいきます。紙によって色の沈み具合やかすれも変わってくるので、データも調整しながらの進行。

IMG_3468
IMG_4011
IMG_3971


そうして試行錯誤することいつのまにやら半年以上…。ようやく完成したのがこちらです。
3つの味を色分けし、アイコンで分かりやすくえびやとうもろこしのイラストを載せることで可愛らしさのある見栄えになりました。背面の帯をはずすと、隠れキャラのくまさんが現れます。これは、気づいてもらえたら嬉しいなというわたしたちの遊び心。帯をはずすして箱を開ける、というアクションが起こることを利用して、箱に印刷が可能と分かった段階から仕込んでいました。
ふだんウェブの仕事が中心なので、それ以外のデザインといってもパンフレットや名刺などの紙媒体が中心。商品ひとつのコンセプトやパッケージをじっくりと考えて形にしていくのは珍しいので、デザイナーにとってもなかなか貴重な経験になりました。

「うちのパスタソース」より生まれた、ちょっとしたお土産にぴったりの北海道パスタ。この春より店頭に並んでいます。
見かけた際はぜひ手に取ってみてくださいね。

Facebook
Twitter

Asaka Sato

1992年十勝生まれ。札幌市立大学デザイン学部を卒業後、GEAR8に入社。 ウェブデザイナーを経て、ウェブディレクターとして主に運用案件を担当。その他、ウェブサイト解析、ウェブ広告・SNS運用など幅広く担当している。2022年ウェブ解析士取得。