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こんにちは、デザイナーの韓です。

今年もあっという間に6月となりましたね、札幌も徐々に夏らしい気温になりましたので、ちょっとしたお出かけすると綺麗な緑が溢れた景色が見られてうれしいです♪

さて、今回のタイトルは「台湾フォント#1」と名付けて、台湾繁体字フォントの話をシリーズ化し、不定期に勉強したお話をできたらいいなと思います。台湾フォントの話と言っても、私が情報収集した知識がほとんどですので、不十分なところがあればどこかでコメントを頂ければ有難いです…!

今年のGWはずっと見に行きたかったフォント展と日付がかぶり、早速チケットを取って展示を見に行きました。今回はその振り返りをちょっとだけしようかなと思います。

台湾のフォントとは?

展示の話をする前に、あんまり知られていない台湾のフォント事情を少しお話します。
台湾、中国、香港は同じく漢字大国ですが、その中でも台湾と香港は繁体字という複雑で総画数の多い漢字を使っています。総画数が多い分、漢字などを 10,000 字以上作らないとフォントは成り立たないので、開発作業はお金と時間と労力を費やす作業なのです。(ちなみに、通常の欧文フォントは平均 500 字 ぐらい)この差は歴然ですね。

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※台湾に残る唯一の活字屋「日星鑄字行」

一つの繁体字フォントを作り上げるのに、最低でも2年はかかると言われています。それに加えて、地元ではまだまだ無料ダウンロードや違法ダウンロード文化が根付いているため、”フォントは購入するもので、使う上で色んなルールもある”というのは一般の人にあんまり知られていないです。

この仕事は大変な上、あんまり理解されていないところが多いというのもあって、過去10年間の中で台湾独自に開発したフォントファミリーは日本の3,000近くと比べて、たったの5つしかありません…!

台湾のデザイナーさんはこの既存のフォントだけではあんまりにもバリエーションが少ないため、香港の繁体字フォントを使ったり、中国の簡体字フォントを使ったり、日本のフォントを使ったりしていました。当然、それは台湾の繁体字向けに作られていないため、表示されない漢字も多く生じます。デザイナーにとってとても悲しい話ですね。

「島」字型提案概念展

今回、どうしても行きたかったこの展示は、just font という台湾のフォントデザイン会社が主催したグループ展。会場はカフェの4階にあり、こじんまりとした展示スペースにプリントしたフォント紹介などがずらりと並べられています。

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※展示スペース。

中は展示のほかに、自社フォントを使った刺繍のガチャガチャと、ポストカードが置いてあります。展示のテーマでもある「島」もスタンプを押して持ち帰ることが出来ます。

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※漢字の「島」もフォントによってイメージが違ってきます。

なぜ「島」なのか?
「島」字型提案概念展(フォントデザイン展「島」)。この漢字の「島」は”孤島にいるかような日々”と製作する時の心境を表しています。先ほども話したように、1つのシリーズに1万字の漢字も作り上げないと成立しないので…普通の人なら心が折れそうですよね。

6つのフォントファミリーの中で、一つは justfont が提供する金萱ファミリーのBold「金萱全糖」。残りの5つは justfont が開いたフォント講義で出会ったデザイナーさん達の作品となります。台湾の道路で書かれている書体をモチーフにした「台灣道路體」、2016年のMorisawa Type Design Competition デザイン賞を取った「淚體」、2017グッドデザイン賞を取った「凝書體」、モダンなデザインが似合う「日日新」、スポーツ感のある「激燃體」。それぞれ紹介して行きたいのですが、長文になってしまいそうなので、まず個人的に好きな2つのフォントファミリー「金萱」と「道路體」から振り返っていきます!

金萱全糖
「金萱(キンセン)」フォントファミリーは、2015年に台湾内で大きな反響と注目を集めたクラウドファンディング企画から生まれた物でした。
このフォントファミリーは台湾茶の金萱からイメージし、名前も「金萱茶」が由来となっています。半分は明体のDNAを受け継いて繊細さがありつつ、もう半分はゴシック体の面影を感じさせます。このフォントファミリーのウェイトは、台湾のドリンクスタンドで聞かれる注文の仕方:少糖、2分糖、3分糖、無糖、全糖で表示しています(ヒラギノのW2、W3、W6と同じ意味)。意味が分かる人から見ますと、台湾らしくて、かわいいネーミングのつけ方となっています。この「金萱全糖」は金萱ファミリーの一番太いウェイトで、タイトルやポスターで使えそうです。発売は2018年10月末だそう。

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台灣道路體
台湾に行ったことのある方は目にしたことがあるかもしれない、運転している人が道路の文字を丁度良く見えるよう、細長くシュッとなっている道路フォントです。細長い特徴を利用して、台湾フォント初のコンデンスドフォントとなりました。繁体字は総画数が多いのに加え、一つ一つの漢字の面積が広いため、町にある看板やポスターなどではよく圧縮した文字を目にします。もしこのコンデンスドフォントが広まることができたら、圧縮問題も少し良くなるのではないでしょうか。都会、旅行、移動するイメージを持たせますので、交通機関やアウトドア、人文地理などで活用できそうなフォントです。

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デザイナーはまだ研究段階の時、実際に道路体を書かれている職人さんとコンタクトを取って、取材をしていたそうです。漢字のどこでどんな角度で曲がるとか、様々なポイントと知恵を頂いて製作に挑みました。詳しく知りたい方は、「台湾道路体」のタイトルをクリックしてみてくださいね。画像や動画もありますので、内容が読めなくても見てて面白いと思います。

 

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※展示会場の天井にはこのように漢字のパーツが飾られています。

フォントファミリーの物語、見れば見るほど話を深く知りたくなりますよね。今回展示されたフォントの中でも、まだまだご紹介したいものは残っていますが、それはまた次回のお楽しみということで…!では、台湾フォント#2 でまたお会いしましょう。