2020.07.17

台湾文化#5 台湾生まれの外国料理

Gear8

移民社会だからこそ生まれる、
異国グルメをアレンジした台湾オリジナリティ。

 

天津には天津飯がない、台湾まぜそばは名古屋発祥などと同じ、台湾にも実は海外にはない外国料理がたくさんあります。台湾は遠い昔から移民社会です。大陸から、東南アジアから、欧米から持ち込まれた料理文化は、ここで融合しながら生まれ変わることが多いです。

小籠包やルーローハンなど、現在よく知られている台湾料理のベースは、16世紀に中国大陸沿岸部から漢民族の移民が連れてきたものです。しかしそれ以外にも、戦後に来た中国内陸からの移民や、その後に来た東南アジアからの移民も様々な料理文化を連れてきました。

台湾では外食文化が盛んで、新たな美食への探求心にあふれています。海外からの料理は何十年経って、台湾独自のグルメに変化しました。ここで台湾人も言われないと知らない台湾生まれの外国料理、代表的ないくつかを紹介します。

 



 

月亮蝦餅 / タイにはない蝦料理

タイ料理「トートマンクン」の台湾版です。春巻きの皮で蝦のすり身を包んで揚げます。一般的には甘辛いソースをつけて食べます。トートマンクンはタイではさつま揚げサイズで丸いです。しかしなぜか台湾版は大きくてピザのようにカットして、お皿に八芒星のように並びます。

 

椒麻雞 / タイにはない鶏料理

台湾のタイ料理屋さんに行ったら必ずと言っていいほどメニューにある、辛くて酸っぱいソースをかけた鶏料理「椒麻雞」です。しかし、椒麻雞は実はタイ料理ではなく、中国・雲南地方の料理です。そして雲南地方では鶏肉は水煮ですが、台湾版は揚げた鶏肉を使います。

 

温州大餛飩 / 中国の温州にはない雲呑

中国・温州地方には雲呑(餛飩)が有名です。しかし台湾版の温州雲呑は、サイズがものすごく大きいです。ボリュームは王将餃子3個分くらいあります。戦後に温州から台湾に移民した女性が大きいサイズの雲吞を作ったことから、「温州大餛飩」と名付けられました。

 

四川牛肉麺 / 四川省じゃなくて台湾発祥の麺料理

現在中国のどこに行っても食べられる牛肉麺は、実は台湾から生まれた絶品グルメです。牛肉麺の誕生は、台北にある四川省移民が多い村の方(戦後国民党と一緒に台湾に逃げてきた大陸からの人々)が作った麺料理です。ですので、昔から「四川牛肉麺」という名前を付けられました。今は普通に牛肉麺と呼んでいます。

 

蒙古烤肉 / モンゴルにはない焼き肉料理

ジンギスカンと似ている料理です。そしてジンギスカンと同じ、実はモンゴル現地にはない焼き肉料理です。「蒙古烤肉」は、平らな銅の鉄板の上で、お肉(牛か豚肉)と好きな野菜に特製ソースをかけて焼いて炒めます。1970年代は台湾各地の夜市でブームになってましたが、今は蒙古烤肉を食べられる屋台とレストランは少ないです。

 

羅宋湯 / アレンジされたウクライナのスープ

ウクライナの伝統的なスープ料理「ボルシチ」の台湾版です。野菜が多くて栄養たっぷりで、台湾の家庭ではよく出てくる料理の一つです。ボルシチと同じ調味料を使いながら、テーブルビートの代用として、トマトを入れた具だくさんでオレンジ色のスープです。

 



 

以上の6品はいかがでしょうか。今度台湾に行くときに、ぜひ各地の夜市などを巡って、台湾人がアレンジした異国料理を食べてみてください!

※各料理の起源には諸説あります。

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Gear8卒業生による記事です。