2021.01.05

台湾文化#7 台湾人の昼寝文化について

Gear8

昼ごはんを食べ終わったら、机でうつ伏せになって、
約30分ぐらい睡眠を取るという台湾の昼寝文化。

 

こんにちは、デザイナーの韓です。
お久しぶりの執筆でご紹介するのは、毎日習慣となっている「台湾の昼寝文化」!こちらの記事を読んでいる皆さんは、日常の中で昼寝を取っていますか?

恐らく日本では、昼ごはんを終えた後に仮眠をするのは、学校や会社でも本当に少ないですよね。しかも何となく贅沢なイメージがあります。入社当時から私は会社で、昼ごはんの後によく昼寝をするのですが、最初は興味を持たれることも多々ありました。決して前日の睡眠不足や、具合悪いとかではなく、ただ体に染みついてる台湾の文化なのです。

 

昼寝文化はいつから?

「昼寝文化」というのは、遡るとなんと台湾では幼稚園から始まり、更に小、中、高までの教育ではずっとお昼寝タイムが設けられ、仮眠を取ることが学校で義務化されています。昼ごはんの後にチャイムが鳴り、学生の皆さんは席へ戻って、およそ30~45分ぐらいのお昼寝をします。幼稚園の時はお布団を敷いて、横になって寝るのですが、小学校からは机でうつぶせ寝が一般的です。

ここで「寝たくない、眠れない人はどうするのですか?」という質問。実はお昼寝というのは学校で義務と定められているので、基本的に寝てないと風紀委員や先生に注意されるのです。遊んでたり、他人の睡眠を邪魔すると、叱られ、罰されることもあります。クラスによっては、静かに本を読んでいても大丈夫ということもあるのですが、電気は全て消した状態のお昼寝タイムなので、やはり寝たくなくても休憩を取ることを勧められます。

 

なぜ昼寝を義務化するの?

台湾で定着している「昼寝文化」なのですが、その由来はおよそ2000年前に編纂された最古の中医学書「黄帝内経(こうていないけい)」にさかのぼるそうです。中には体を整え、健康維持する古代からの養生習慣「子午覚」や、「三寒両倒七分飽」という教えがありました。

「子午覚」の子とは、23時〜1時の時間帯を意味し、午とは11時〜13時のことを意味します。覚はつまり寝るということで、「子午覚」は夜の23時〜1時の間に寝ることと、11時〜13時の間に寝ることを意味します。

また、「三寒両倒七分飽」も似たようなことを意味しており、三寒とは、一年に3回ほど起こる季節外れの寒さに気をつけること。両倒とは、一日に2回横になること。七分飽とは、食事は腹七分目(日本では八分目ですが中医学では七分目なんです)を意味します。睡眠時間は長さだけでなく、寝る時間帯も重要なものだと考えられているようで、一日に2回、子の刻以外に、午の刻(午前11時〜午後1時)は身と内臓器官を休ませ、回復させるための時間帯とされているようです。

このような古くから伝わる養生習慣の言い伝えもあれば、新たな研究で昼寝の効果を掲載する記事もあり、恐らく午後の授業も集中して学べるよう、このような文化が生まれたのだと思います。

 

社会人になっても

こうした教育背景により、台湾人は社会に出ても昼寝習慣を持ち続けてる人が多いです。現地の企業でも昼寝時間が設けられることは珍しいことではありません。私も今では厳密に時間帯まで守ることはないのですが、やはりきちんと15-30分のお昼寝を取った日と、できなかった日とは、体の巡りや元気さが全然違うように個人的に感じます。これもすべて持ち続けてきた習慣だからこそ、体の小さな変化にも気づくのかもしれません。

 

体を労わる習慣を身につける

2020年~2021年、そしてその先でも、やはり何らかの出来事で人は不安に立たされることがあると思います。この一年は私たちに「健康の大切さ」や「衛生に気を付けること」などを根本から改めさせてくれました。「よく寝て」「よく食べて」「よく動いて」、一見簡単で誰でも知っているようなことですが、実は一番できてなかったり、難しかったりします。自分の体に合う良いことを習慣的に実践していけば、日々の細やかな変化でも気づくようになったり、自力で免疫力を向上させることもきっと難しくはないと思います。

ぜひ、この記事をきっかけに、たまに一日15~30分のお昼寝から実践してみてはいかがですか?もしかすると、あなたも体の細やかな変化に気づけるようになるかもしれません。

 

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Gear8卒業生による記事です。